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畜産の未来を創る 一次産業BPO

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「その声」にこたえる共創

一次産業BPO

熱意あるパートナーと協働し、一次産業の業界改革を加速する

2023年9月に養豚経営支援システム「Porker」を手がける株式会社Eco-Porkと資本業務提携、さらに2024年4月にはNTTテクノクロス株式会社との共同サービスとして牛の起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS(ブジダス)」を提供開始し、一次産業への取り組みを推進するベルシステム24。既存のBPO業務で培ったノウハウは業界が抱える課題を解決へと導く起爆剤になる……その背景にある熱い想いについてプロジェクトを率いる2名に話を聞きました。

澤頭 仁志

澤頭 仁志 第4事業本部 事業部長

2001年中途入社後、首都圏で保険会社各社のオペレーション業務を担当。2011年より、大規模クライアントのコンタクトセンター統合・リロケーションのプロジェクトリーダーとして札幌・福岡に赴任。2018年より事業部長に就任し、製販一体組織を牽引し、新たな成長戦略の柱として第一次産業でのビジネスを企画。畜産業界を足掛かりに事業拡大を目指す。

福永 和弘

福永 和弘 国内事業開発部 マネージャー

2023年、中途入社時より現職。「一次産業プロジェクト」のビジネス開発・事業推進を担当し、株式会社Eco-Porkとの資本業務提携(2923年9月)を牽引。2024年4月以降、NTTテクノクロス株式会社との共同サービスである牛の起立困難予防装置「BUJIDAS(ブジダス)」を第4事業本部と共同で推進している。

一次産業BPO

Vision 成長戦略のパートナーとして、一次産業の業務改革を加速する

一次産業に特化したソリューションから見えた社会的意義

一次産業への参入を決断したきっかけを伺えますか

私はもともと金融・保険業界を担当しており、一次産業との関わりはありませんでした。しかし、中長期経営計画に基づいて成長戦略の新たな柱を探すなかで、思い至ったのが「一次産業」というキーワードです。一次産業は慢性的な人材不足に悩んでおり、業務課題も山積しています。その分、成長の余地は大きく、参入する価値が高いと考えました。
そのなかで株式会社Eco-Porkと知り合ったのですが、同社の顧客である養豚農場の見学に同行した帰り道に、社長が世界におけるタンパク質不足の問題、農場の人手不足、デジタル化の遅れなど業界が抱える課題を解決できるビジネスの社会的意義について熱心に語ってくれました。その話に感銘を受けて協業についての話し合いを重ね、最終的に資本提携に至りました。
現在はもう1社、NTTテクノクロス株式会社と提携し、牛の起立困難予防声掛けAIサービス「BUJIDAS」を提供しています。Eco-Pork社での一次産業BPOの実績から、他社ではなくベルシステム24に声をかけていただきました。当時の私は、養豚は学んだものの牛については分からないことばかり。「牛は横になると、お腹にガスが溜まり死に至るケースがある」など初めて聞く話も多かったのですが、深刻化している畜産農家の業務環境を改善するためになにができるのか、NTTテクノクロス株式会社の事業部長と語り合ったことをよく覚えています。

共通するのは"熱意"。ベルシステム24の得意分野で支援する

ベルシステム24が一次産業を手がける意義は、どこにあるのでしょうか

サービスの対象も企業規模も異なる2社ですが、共通するのは「一次産業の現場が抱える課題を、なんとか解決したい」という熱意です。一次産業が抱える課題は、食料自給率・安全保障や環境問題など社会全体の課題につながるところも大きく、この課題解決に参加することには大きな意義があると考えています。
また、我々は何十年もクライアントに併走してBPOサービスを提供してきました。ITリテラシー習得や人手不足の緩和など、畜産農家が抱える課題の解決に必要なソリューションは当社の得意分野でもあります。特にデジタル化への苦手意識が強い・導入しても使いこなせないといったケースの支援などはまさに強みとするところで、デジタル化推進にも寄与できるはずだと感じました。

成長戦略のパートナーとして、一次産業の業務改革を加速する

株式会社ベルシステム24 第4事業本部 事業部長 澤頭 仁志

成長戦略を支えるパートナーとして、期待に応える支援を

関わり方は企業ごとに大きく異なるのでしょうか

30名ほどのスタートアップ企業である株式会社Eco-Porkはとにかく人材が足りておらず、「完成したサービスをどう売るか」という課題を抱えていました。そこで、現場に近い領域の支援を中心に、手間がかかっていたIT導入補助金の申請や導入後の利用方法レクチャーなどの作業を当社で巻き取り、営業活動に注力できる体制を整えていきました。
一方、NTTテクノクロス株式会社からは、Porkerでの実績から「一次産業のBPOについて理解している」ことを期待されていました。もともと技術の会社であり、新たなプロダクトを市場に導入する営業力・販売力に課題があったことから、営業や代金回収のスキームまで含めて、事業計画立案の段階から参画しました。どちらも、ソリューションを拡販して定着させるまで、成長戦略のパートナーとしての役割を期待されています。
こういった業務については、これまでのBPOとの共通点は少ないように見えますが、「おこなうべき処理のフローを作成し、だれでも同じように動けるよう教育する」といった"型化"のプロセス自体は変わりません。課題さえ分かれば、解決策を見いだせるはずだと思っています。

一次産業BPOの先駆者として、業界全体を改革へ導く

今後、一次産業BPOとして目指すことを教えてください

一次産業では我々が価値提供できる領域は大きいと感じています。徐々に畜産農家が抱える課題が明らかになってきたため、今後は解決策のサービス化を進めます。例えば、IT導入補助金だけでなくふるさと納税などの申請サポート、また畜産に限らず、漁業や農業などほかの領域への支援も検討しています。
同業他社でも一次産業BPOを手がけている企業はまだありません。実績が次のステップへとつながるはずですから、先駆者としての強みを活かして一次産業BPOにおける存在感を高めていきます。

Solution デジタルの限界を人で超える。一次産業で目指す2つの挑戦

デジタルの限界を人で超える。一次産業で目指す2つの挑戦

株式会社ベルシステム24 国内事業開発部 マネージャー 福永 和弘

一次産業BPOの第一歩として、畜産向けサービスに参入

現在、一次産業向けにどのようなソリューションを提供しているのでしょうか

クラウド型養豚経営支援システム「Porker」を提供する株式会社Eco-Porkと資本提携し、導入から利用定着、また株式会社Eco-Pork自身のバックオフィス作業支援など各フェーズで支援をおこなっています。Porkerは養豚における繁殖から肥育まで一気通貫で管理できるサービスで、IoTで温度などのセンサーとも連携して効率的に管理できることが特長です。IT導入補助金の対象となっているため、畜産農家の申請をサポートする、紙で管理していた過去履歴のデータ入力を代行するなど、普及に向けた支援を提供しています。

養豚生産者向けの新しいBPOサービスを展開

養豚生産者向けの新しいBPOサービスを展開

もう1つは牛の起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS」ですが、牛は「起立困難」と言って横になると自力で起きられなくなり、すぐに対応しなければ死亡するリスクがあります。そこでBUJIDASでは危険な姿勢をAIで検知、牛が反応する音を出すことで起立困難を防ぎます。NTTテクノクロス株式会社から企画の段階で相談いただき、協業を前提に事業構想を練るところから参画しました。また、サービス提供にあたってカメラなど各種機器の監視や、アノテーション(AIの学習データにメタデータを付与する作業)など当社の強みを発揮できる部分を担当しています。NTTテクノクロス株式会社が開発し、ベルシステム24ではそれ以外のサポートをおこなう、といった役割分担です。

起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS」概要図

起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS」概要図

従来型ビジネスからの方向転換を目指す、2つの挑戦

ベルシステムとしての新たな可能性は見えてきましたか

これまでのコンタクトセンターは、聞く(耳)・話す(口)が中心でしたが、今回は監視(目)やデータ移管・申請代行(手)など新しい領域での挑戦でした。とはいえ「人的リソースを活かし、正確かつスピーディに対応する」という本質は変わりません。得意分野を活かすことで、エンドユーザまで含めた"三方よし"を実現していきます。
また、BUJIDASは、「オペレータ1人あたり」ではなく「カメラ1台当り」に月額課金するストック型ビジネスです。台数が増えるに従いビジネスがスケールし、1台あたりの管理を効率化すれば収益性が高まります。BUJIDASは、従来の人月商売では無いビジネスモデルへの転換という挑戦でもあります。

人の力で限界を超え、日本の食を救う

一次産業BPOの取り組みを通して、今後目指したいことを教えてください

2024年5月に農業基本法が改正されましたが、食料安全保障の観点からも農業の生産性をどう高めるかは国としても大きな課題です。スマート化は有効な手段の1つではあるものの、デジタルの力だけではどうしても限界があります。人が寄り添ってサポートすることでスマート化の裾野が拡がるはずだと考えています。畜産農家が本業に集中するために、いかにノンコア業務を支援するか、取り組む意義は大きいです。
また、収益構造の転換が必要なのは、一次産業だけではありません。今回はBUJIDASでストック型ビジネスを作りましたが、ほかの産業分野にも展開できないか、これからも挑戦を続けていきます。

Leader's Voice summary

人手不足が深刻化し、生産性向上・デジタル化など一次産業が取り組むべき課題は多い。この現状を打破し、業界改革を目指す企業の熱意を受け、成長戦略のパートナーとして求められる支援の提供をスタートした。既存BPOとは異なる領域ではあるが、本質は変わらない。長年培ったノウハウ、人的リソースを武器に新たな領域での挑戦は続く。

Project story プロジェクトストーリー

社員一人ひとりが「その声に、どうこたえるか。」を胸に、課題に挑むプロジェクトストーリー

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