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「その声」にこたえる共創

グローバルBPO

“NEW BPO”を旗印に、ベトナム・タイ・台湾で事業展開

2014年に伊藤忠グループ入りして以降、総合商社のグローバルネットワークを駆使した現地有力企業とのアライアンスなどにより、海外進出を加速するベルシステム24。現在(2024年末時点)、ベトナム、タイ、台湾の3か国で事業会社を運営しており、各国の状況に合わせたアライアンスで成長戦略を進めています。今回は3社の若きリーダー達に、それぞれの市場環境や提供価値について聞きました。

本間 健太

本間 健太 BELLSYSTEM24 VIETNAM Inc.

2012年、ベルシステム24入社。外資系クライアント向けのワークフォースマネジメントを担当。2018年よりベトナムBELLSYSTEM24 HOA SAO社へ出向し、国内クライアントから受託するオフショア事業に従事。2023年、BELLSYSTEM24 VIETNAMとして子会社化以降、グローバル事業部長としてベルシステム24グループの戦略的オフショア展開をベトナム現地で推進。

日置 一輝

日置 一輝 True Touch Co., Ltd.

2009年、ベルシステム24入社。国内大手通信企業向けのBPO事業において、全国で提案・立ち上げ・運営を通したマネジメントを実施。2023年より海外事業部へ異動、海外事業全般のマネジメントと事業拡大を担い、2024年、タイTrue Touch社へ出向。Business Development Managerとしてビジネス拡大・ベルシステム24シナジーの最大化を推進。

堂野 大和

堂野 大和 BELLSYSTEM24 TAIWAN, Inc.

2014年、ベルシステム24入社。本社購買部門で新規センター構築時の貸主との契約交渉やサプライヤーとの購買交渉を担当。2017年から海外事業に携わり、グループ会社管理及びタイTrue Touchなど投資案件を経験。2023年より台湾支店に駐在し、現地支店の副総経理として経営全般・営業部門・管理部門を管掌、台湾現地ビジネス拡大を推進。

【ベトナム】オンショアとオフショアの両輪を回し今後3年で売上2倍を目指す

Solution 【ベトナム】オンショアとオフショアの両輪を回し今後3年で売上2倍を目指す

3つの基本戦略に基づきベトナムのコンタクトセンター最大手と資本提携

BELLSYSTEM24 VIETNAM Inc.(以下 BSV)はどのような背景・経緯で設立したのでしょうか

ベトナムのGDPは5%前後の安定成長を続けており、社会主義国でありながら外資企業も積極的に受け入れています。日本からも製造業を中心にコンビニエンスストアなどサービス業の進出が続き、IT企業が開発拠点を置くケースも散見されます。平均年齢が若く相対的に人件費が低いことから、日本からのオフショアビジネスにも適した国であると言えます。
この様な背景から、海外展開の検討を進めるなかでベトナムが最有力候補にあがり、「オンショアビジネス(現地のコンタクトセンター市場)への進出」「ローカルパートナーとの協業」「日本企業のオフショアニーズ対応」の3つの基本戦略に従い、ベトナムBPO最大手のホアサオ社との資本提携(2017年に49%出資)に至りました。ホアサオ社が築き上げてきたオンショアの基盤をそのまま引き継ぎつつ、伊藤忠・TOPPANグループのネットワークを活かしたオフショアの拡大で成長を続けています。

【ベトナム】オンショアとオフショアの両輪を回し今後3年で売上2倍を目指す

BELLSYSTEM24 VIETNAM Inc. 本間 健太

オンショアとオフショアのハイブリッド戦略をとるBSV

ベトナムにおける事業の概要や特徴についてお聞かせください

首都ハノイがある北部では通信キャリアやテレビ局などの国営企業、最大の商業都市ホーチミンがある南部では、日系企業を含めベトナムに進出する企業も多く、BPOのニーズが拡大しています。BSVでは売上の2/3をベトナム企業からのオンショアビジネスで占めており、中でも通信キャリア最大手のViettel社向けコンタクトセンターでは、1,500席規模の運用を受託しています。
日本語のメール対応業務をきっかけに立ち上げたオフショアビジネスは、その後、中国の大連にオフショアされていた業務を、より人件費の安いベトナムにリプレイスしたことで拡大しました。現在では、日本語だけでなく英語にも対応できるカスタマーサービスを提供するほか、一部日本企業のお客様に対しては、見積書作成や契約業務のサポートなど幅広い業務に対応しています。
人材調達のキャパシティとスピードもBSVの強みの一つです。3,000規模のコンタクトセンターでの人材充足に加えて、オフショア業務にあたる日本語人材の確保も必要なため、採用活動には特に力を入れています。教育機関や自治体と連携したワークショップなどの施策が奏功し、日系企業の高度なBPO業務でスキルアップできる点に魅力を感じる大卒の若者が増えており、日本よりも定着率が高いことも特徴です。

グローバルBPO

採用活動における大学との連携

ベルシステム24が蓄積してきたナレッジを移管し更なる飛躍を目指す

今後の成長戦略や総合BPOパートナーとして目指す方向性など教えてください

2023年3月、ベルシステム24グループ :80% / TOPPAN:20%のBSVを設立し完全子会社化したことで、全体の見える化と迅速な経営判断ができるようになり、戦略面の強化につながりました。ベルシステム24の型化されたオペレーション管理やプロセス改善のナレッジを移管し、またTOPPANが得意とするデジタルマーケティングのサービスも新たな武器に加えることでBSVの競争力を高め、オフショアBPOとともに、成長著しいベトナム南部地区のマーケットを開拓していく計画です。

【タイ】型化メソッドを土台に、独自のBPOサービスで顧客利益を追求

Solution 【タイ】型化メソッドを土台に、独自のBPOサービスで顧客利益を追求

人口減少を見据え、グループの総力を結集して効率化の提案を推進

True Touch Co., Ltd.(以下 True Touch)はどのような背景・経緯で設立したのでしょうか

タイのGDP成長率は直近2.3%前後で、ASEAN新興国と称されるベトナムなどに比べ、成熟・ 安定した市場と言えます。また2030年前後から人口減少に転ずると予測されており、業務効率化の課題感からBPOのニーズがさらに高まるとみています。
True Touchは、タイ最大の財閥CPグループ傘下の通信サービス最大手True Corporation Public Co., Ltd.の関連会社で、従業員を約4,000人擁する、タイのBPO業界最大手です。伊藤忠商事とCPグループの戦略的総合資本業務提携(2014年)を経て、2020年1月にベルシステム24が49.9%出資しました。アカウントオーナー制やオペレーション管理の仕組みなどベルシステム24独自のナレッジや、直近の"NEW BPO"の取り組みなどに魅力を感じてもらい、パートナーシップを結んだ形です。

【タイ】型化メソッドを土台に、独自のBPOサービスで顧客利益を追求

True Touch Co., Ltd. 日置 一輝

インサイドセールスやソーシャルリスニングでBPOのプロフィット化を目指す

タイにおける事業の概要や特徴についてお聞かせください

親会社のTrue Corporationから受託しているカスタマーサポートがもっとも大きなビジネスですが、それ以外にも金融機関や航空会社といった大手企業や社会保険庁などの政府機関が主要取引先となっています。タイに進出する日系企業も含まれており、カスタマーサポートだけでなく、システムの保守・メンテナンスやマーケティングなど幅広いBPOサービスを提供しています。
タイ独自の取り組みが3つあります。1つ目は、約5,500万とされるTrue Corporationの回線契約者リストを活用した、金融商品や保険、自動車や不動産など高額商品のインサイドセールスです。2つ目は、アウトバウンドへのAIボイスボット活用です。一次コールはグループ会社のTrue Voiceが開発したAIボイスボットに任せ、二次コールから人が説明する分業でインサイドセールスを効率化しています。3つ目は、VoCをアナリストが分析して顧客にサジェストするソーシャルリスニングで、日系の現地企業からも好評です。いずれも顧客にプロフィットをもたらすBPOで、今後主力サービスになることを期待しています。

TrueTouchのソリューション

TrueTouchのソリューション

マーケットリーダーとして市場拡大を目指す

今後の成長戦略や総合BPOパートナーとして目指す方向性など教えてください

ベルシステム24グループのネットワークとナレッジを最大限に活用し、日系企業も含めたタイ国内の企業に対して、カスタマーサポートだけでなく、クライアントのバリューチェーンを俯瞰したサービスを提供し、業界リーダーとして国内BPO市場の拡大を目指しています。そのため、BPRコンサルティングなどベルシステム24独自のナレッジ移管による提供価値の向上と、データマーケティングなど独自のソリューション強化を継続していきます。

【台湾】AI✕BPOのワンストップサービスで、台湾のCRM市場を切り拓く

Solution 【台湾】AI✕BPOのワンストップサービスで、台湾のCRM市場を切り拓く

ECが活性化する市場でのBPOビジネスを目論み台湾支社を開設

BELLSYSTEM24 TAIWAN, Inc.(以下BST)はどのような背景・経緯で設立したのでしょうか

日本の九州ほどの面積に2,400万人弱が暮らす台湾は、世界屈指の半導体産業や先端IT技術で知られています。オンラインショッピングなどの利用頻度は年々増加しており、最近では日用品の購入にもECを利用するなど、人々の生活に深く浸透しており、越境ECを手がける日本企業も数多く進出しています。
こうしたなかベルシステム24では、2017年以降、総合通信最大手(中華電信)の100%子会社で、コンタクトセンター大手の宏華國際と業務提携するなど準備を進め、2020年4月に同社のオフィス内にベルシステム24の台湾支店を開設しました。その後、宏華國際のリソースを最大限活用して現地ビジネスを拡大し、2024年11月にBSTとして法人化に至りました。

内製化指向が強く、AI活用による効率化・自動化にも関心

台湾における事業の概要や特徴についてお聞かせください

親日で知られる台湾では日本製品の人気が非常に高く、台湾支店設立当初、越境ECを展開する日本の健康食品企業のカスタマーサポートやアウトバンド業務を小規模で開始し、その後、化粧品やヘルスケア製品などの日本企業も加わり、従業員数も100名超まで拡大しています。
台湾内の企業はカスタマー部門の内製化指向が強く、コンタクトセンターを含むBPO市場は未成熟で、BSTでも台湾企業からの売上は2割程度に過ぎず、現地に進出した日系企業や越境ECの日本企業とのビジネスが8割を占めています。一方で、カスタマー部門では、AIなどのテクノロジーを活用した効率化・自動化のニーズが顕在化していることに着目し、2024年1月、最先端のAIプラットフォーム開発で注目の台湾企業Intumit Inc.(以下 インツミット)と業務提携しました。

BSTとIntumitの協業ソリューション

BSTとIntumitの協業ソリューション

インツミットと共同開発の「Smart BPO」で攻勢をかける

今後の成長戦略や総合BPOパートナーとして目指す方向性など教えてください

インツミットとの業務提携により、同社の対話型AIプラットフォームと有人コンタクトセンターを融合させたハイブリッド・コンタクトセンターを共同開発しました。このAI✕BPOのワンストップサービス「Smart BPO」を、台湾はもちろん、日本や周辺諸国にも展開していく計画です。
また、AI導入後の精度向上の課題を解決するため、BSTはAI人材の育成を進めて、データ整備や学習支援などのアノテーションサービスを提供できる体制を整え、インツミットのAIプラットフォームを導入している金融系企業や政府系機関に向けた付加価値向上を目指しています。
今後の方向性としては、幅広い企業の効率化・自動化ニーズに応えられるよう、LINEと連動する生成AI(ChatGPT)を使ったチャットボットを軸に、従来型チャットボットなどの低価格版も加えた「Smart BPO」の提供を通じて、CRM市場のリーディングカンパニーを目指します。

Leader's Voice summary

独自の戦略に基づき、ベトナム(2017年ホアサオ社に出資)、タイ(2020年1月True Touchに出資)、台湾(2020年4月台湾支店開設)と、東アジアリージョンで着々とBPOビジネスの拠点を築くベルシステム24。今後国内ビジネスの成長に加え、40年以上に渡り築き上げてきたナレッジや仕組みを武器に、"NEW BPO"で世界のBPO市場を見据える。

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