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巨大ネットワークを活かす グループシナジー

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グループシナジー

伊藤忠/TOPPANとの協業深化で、競争力強化&多角化を目指す

2005年の上場廃止後、米国投資会社傘下での事業運営を経て、2014年、伊藤忠商事株式会社を株主に迎え入れ、翌年、東証一部再上場を果たしたベルシステム24。さらに、2017年にはTOPPAN株式会社の資本参加を受け、国内大手企業2社の下で成長戦略を実践してきました。グループに多くの事業体を抱える巨大企業2社の傘下に入ることの意味や、これまでのシナジー効果や事例などについて、伊藤忠グループ/TOPPANグループとベルシステム24グループ、それぞれの立場で語っていただきました。

田中 啓士郎

田中 啓士郎 伊藤忠商事株式会社 通信ビジネス第一課 マネージャー

2012年伊藤忠商事入社。アパレルの貿易および営業を経験した後、国内外の様々な領域における新規事業立ち上げや投資を担当。2021年からベルシステム24事業開発本部に出向し、シンカー社の子会社化をはじめとする複数の業務提携・投資を実行。2024年に伊藤忠商事に帰任し、現在は伊藤忠グループにおけるBPO領域全般の事業開発を推進。

梅川 健児

梅川 健児 TOPPAN株式会社 執行役員 ビジネストランスフォーメーションセンター長

1992年凸版印刷(現TOPPAN)入社。事業開発、スペースデザイン、セールスプロモーションを担当した後、2006年にCRM専門会社BrandXingに参画し、CRMコンサルティングやマーケティング戦略立案に従事。2011年に帰任後、顧客中心型のマーケティング部隊を組織化し、デジタルマーケティングを進めながらビジネストランスフォーメーションを推進。2024年4月 執行役員に就任し、8月からは事業開発も担当。

辻 豊久

辻 豊久 ベルシステム24ホールディングス 取締役 経営企画部長

1989年伊藤忠商事入社。国内外グループのIT企画業務に従事したのち、2005年地球の歩き方とのJV事業を立上げ、経営に参画。2009年より伊藤忠インタラクティブの代表取締役社長としてEC・デジタルマーケティング事業を牽引した後、2015年よりベルシステム24ホールディングス執行役員就任。経営企画部長として東証一部上場とTOPPANとの資本提携を主導し、2020年取締役に就任(現職)。

伊藤忠商事のシナジー戦略

strategy 【伊藤忠商事のシナジー戦略】ベルシステム24のエンドユーザー接点を活かし、生活関連分野の取組を強化する

グループ内のデジタル化を進めつつ、グループ外に多彩なサービスを提供

大手総合商社としての伊藤忠商事(グループ)の特徴や強みとは

当社は、創業者・伊藤忠兵衛の言葉から生まれた"三方よし(=売り手よし・買い手よし・世間よし)"という企業理念を掲げています。社員ひとり1人が、自社の利益だけではなく関わるすべての人にとって善いことを為す、"豊かさを担う責任"を社内外に示したものです。社員個々の力を最大化するうえで欠かせないIT活用ですが、伊藤忠グループでは、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)を中心にグループ各社のデジタル化を推進しつつ、取引先企業に対しデジタルの力を活用した多彩なサービスを提供しています。

幅広いニーズに対応するバリューチェーンを実現

ベルシステム24への資本参加の背景・理由を教えてください

当社は生活消費関連分野への取り組みを一貫して強化しており、エンドユーザ の声を直接聞ける "顧客接点"を持つことが戦略上重要であったからです。お客様の様々な課題に対し、1つの事業体が提供する機能だけでは解決できないケースが増えており、ITシステム関連のCTCだけでなく、BPOを担うベルシステム24も加わり、上流から下流まで幅広いニーズに対応するバリューチェーンを整えました。
2014年の資本参加と同時にスタートしたのが人材交流です。2017年以降は双方向で常に14~5名が出向しており、互いのビジネスモデルを活かした協業で得られるシナジー効果は160億円を超えています。

伊藤忠グループのデジタル事業群

伊藤忠グループのデジタル事業群

グループ内BPO、人材交流、海外進出などで大きな成果

ベルシステム24とのビジネス事例をご紹介ください

2017年に、主にCTCの顧客企業向けにITサービスデスク業務を担ってきたCTCファーストコンタクト株式会社(以下、CTCFC)をベルシステム24が子会社化し、CTCFCのITヘルプデスクの知見とベルシステム24の型化ノウハウの相互補完で、より付加価値の高いサービスを提供できるようになりました。
人材交流という点では、たとえばファミリーマートに出向している社員がハブとなり、ベルシステム24を含むグループ内企業と連携してソリューションを提供することで、グループ全体の効率化が進んでいます。
グローバル展開する総合商社ならでは成功事例と言えるのが、海外へのBPO事業展開の支援です。当社の海外ネットワークやM&A/事業提携のノウハウを最大活用する形で、短期間でタイ・台湾への進出を果たしました。

顧客接点の人的リソースや型化のノウハウに期待

ベルシステム24への期待をお聞かせください

今後、AIを中心としたIT技術で省力化・自動化が進むと思いますが、それを最終的に業務に落とし込んでいくのは結局"人"です。お客様のビジネスや課題を把握する顧客接点の人的リソース、そして、それを型化して安定してマネジメントする運用力に今後も期待しています。

TOPPANグループのシナジー戦略

strategy 【TOPPANグループのシナジー戦略】ベルシステム24に学び、オンサイト型マーケティングDXの開発を目指す

TOPPAN独自の"マーケティングDX"支援事業に注力

社名変更の背景・効果や、マーケティングDXの取り組みについて教えてください

2023年10月に、凸版印刷株式会社は持株会社体制に変わり、中核事業を担う我々の会社もTOPPAN株式会社(以下、TOPPAN)となりました。文字通り印刷会社から脱却して、DX(デジタルトランスフォーメーション)とSX(サステナブルトランスフォーメーション)を中心とした成長事業で利益の半分以上、2025年度で営業利益1100億円を目指しています。また、凸版印刷の時代から、カタログ、ポスターやDMなどリアル中心にお客様の販売促進を支援してきましたが、新たに立ち上げたビジネストランスフォーメーションセンターが中心となり、デジタル/データをベースにリアルを組み合わせた"マーケティングDX"支援事業に注力しています。

ベルシステム24が"マーケティングDX"に欠かせないピースに

TOPPANグループにおけるベルシステム24の位置づけや、両社のシナジーについて教えてください

マーケティングDXでは、様々なデータを統合させることでマーケティングのROI最大化を目指しますが、すべてのベースとなるのは顧客データです。当社の場合、強みとする商品開発からCRMの領域に対し、コンタクトセンターやサービスの領域が弱くその強化を目指しました。BPOビジネスのケイパビリティ向上を目指して実現した資本提携ですが、顧客接点を中心にマーケティングDXを進める上でベルシステム24は不可欠なピースとなっています。
すでに某メーカーのお客様には、北海道にあるベルシステム24の拠点と連動する形で、VoCを活用した商品開発やマーケティング施策のサービスをニアショアで提供するなど、まさにマーケティングDXが動き出しています。
2020年5月には、TOPPANが51%、ベルシステム24が49%出資する形で、コンタクトセンターやバックオフィスBPOのサービスを提供するジョイントベンチャー、株式会社TBネクストコミュニケーションズ(以下、TBNC)を設立しました。ベルシステム24のコンタクトセンター運営や人材育成のノウハウを導入して、我々が得意とするマーケティング業務に加え、データ処理や審査業務などのバックオフィス業務の受託を進めています。

TOPPANが描く、マーケティングDX支援事業での戦略

TOPPANが描く、マーケティングDX支援事業での戦略

オフサイトとオンサイトを組み合わせたマーケティングDXのサービスを模索

ベルシステム24への期待をお聞かせください

ベルシステム24が進めるサービスや運用の"型化"は、オーダーメイド指向でビジネスを展開してきたTOPPANにはない発想で、双方のノウハウを活かすことにより、従来の"オーダーメイドの成果"が"型化された成果"に進化し、再現性が高まることを期待しています。
TOPPANは、プロダクトメーカーの側面が強く、ヒトビジネスが主体となるマーケティングDXを推進するために様々な改革を進める必要がありました。また、当初は受託業務も自社施設で運用するオフサイト型が主体のサービス展開でした。現在は、ベルシステム24のノウハウを活用し、オフサイトとオンサイトを組み合わせたTOPPANならではのマーケティングDXサービスの展開が始まっています。今後は、協業をより一層深化させて、サービスの提供を進めます。

伊藤忠グループ/TOPPANとの協業深化の上に、競争力強化と多角化を目指す

synergy 【ベルシステム24の成長戦略】伊藤忠商事/TOPPANとの協業深化で、競争力強化と多角化を目指す

2社の巨大ネットワークを活かし、新たな業界・領域で売上拡大を目指す

ベルシステム24にとって伊藤忠商事とTOPPANを大株主にもつ意味とは

事業パートナーでもある国内大手企業2社が安定株主になったことで、将来に向けた経営環境が盤石化したことがなにより大きいと思います。両社がこれまで外部にアウトソースしていたコンタクトセンター業務が当社に集約され、単純に売上増につながることに加え、国内はもちろん、海外にも拡がる2社の巨大ネットワークを活かし、これまでベルシステム24が弱かった業界・領域を含め、新規取引やビジネスパートナーの開拓が可能になりました。

"伊藤忠シナジーグループ"を立ち上げ、160億円を超える売上

伊藤忠グループとの協業シナジーについて教えてください

伊藤忠グループに入った後、社内に"伊藤忠シナジー"に特化した組織を立ち上げ、2014年からグループ内企業やその取引先に対し営業を開始し、2023年度には160億円を超える売上に成長しています。
ITサービスデスク業務を担うCTCFCの子会社化も売上拡大に貢献しています。システム開発の隣接業務として受託するCTCの営業力に加え、当社の人材がCTCに出向して運用のノウハウ提供、スタッフの採用・教育などに携わり事業拡大に取り組んだ結果、当初20億円程度だった売上が約60億まで拡大しました。
総合商社のグローバルネットワークを活かした海外進出も大きな成果です。2017年にベトナム企業への出資を決めましたが、その際、伊藤忠商事の現地法人に法務/会計/人事面での現地対応を全面サポートしていただきました。その後のタイへの進出は、伊藤忠グループと現地No.1キャリアの太いパイプを活かし実現したものです。現地法人をゼロから立ち上げるのは相当な時間がかかるうえ、現地の文化や慣習の違いによるリスクをともないますが、伊藤忠グループによる全面的なサポートで、迅速に、安心して海外進出を果たすことができました。
人材育成の効果も大きいものがありました。経営陣を含め伊藤忠グループから出向者を迎え入れることで、事業開発や財務を強化しつつ、当社のリスキリングや幹部候補育成の目的で若手社員を出向させています。伊藤忠商事とボストンコンサルティンググループが合弁で立ち上げたI&Bコンサルティング株式会社への出向もそのひとつです。

巨大ネットワークを活かすグループシナジー

株式会社ベルシステム24ホールディングス 取締役 経営企画部長 辻 豊久

TOPPANの営業力・ノウハウを活かし、公共ビジネスへの復帰を果たす

TOPPANグループとの協業シナジーについても教えてください

TOPPANの場合、金融や製造、情報通信といった民間企業だけでなく、国や自治体など公共系のお客様が多いのが特徴です。当社と共同出資で設立したTBNCが受け皿となってお客様からの業務を受託し、グループ外への業務流出を回避しています。当社は、かつて公共系企業への営業活動が限定的であった経緯があり、TOPPANの営業力やノウハウを活かすことで拡大基調にあります。
また、当社が現地企業に出資してベトナムに進出した際、ベトナム進出の日系企業に対するオフショアの足がかりを築きたいTOPPANと、ベトナムにデジタルマーケティングの知見を持ち込みたい当社の思惑が合致し、最終的にベルシステム24:80% / TOPPAN:20%で完全子会社化を果たしています。

Leader's Voice summary

総合BPOパートナーを目指し、競争力の強化と事業の多角化に取り組むベルシステム24グループ。取締役の辻は次のように語る。「生成AIなどのテクノロジーが登場し、人ビジネスが影響を受ける未来が見えてきた今こそ、伊藤忠グループ・TOPPANグループが持つDXのノウハウを活用して、競争力を高めていく必要があります。先進的なベンチャーとの協業や大規模なM&Aなど、当社単独でなく両社と取り組むことで、よりダイナミックな事業成長を実現する、それが一番やりたいことです。」

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