strategy 【伊藤忠商事のシナジー戦略】ベルシステム24のエンドユーザー接点を活かし、生活関連分野の取組を強化する
グループ内のデジタル化を進めつつ、グループ外に多彩なサービスを提供
大手総合商社としての伊藤忠商事(グループ)の特徴や強みとは
当社は、創業者・伊藤忠兵衛の言葉から生まれた"三方よし(=売り手よし・買い手よし・世間よし)"という企業理念を掲げています。社員ひとり1人が、自社の利益だけではなく関わるすべての人にとって善いことを為す、"豊かさを担う責任"を社内外に示したものです。社員個々の力を最大化するうえで欠かせないIT活用ですが、伊藤忠グループでは、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)を中心にグループ各社のデジタル化を推進しつつ、取引先企業に対しデジタルの力を活用した多彩なサービスを提供しています。
幅広いニーズに対応するバリューチェーンを実現
ベルシステム24への資本参加の背景・理由を教えてください
当社は生活消費関連分野への取り組みを一貫して強化しており、エンドユーザ の声を直接聞ける "顧客接点"を持つことが戦略上重要であったからです。お客様の様々な課題に対し、1つの事業体が提供する機能だけでは解決できないケースが増えており、ITシステム関連のCTCだけでなく、BPOを担うベルシステム24も加わり、上流から下流まで幅広いニーズに対応するバリューチェーンを整えました。
2014年の資本参加と同時にスタートしたのが人材交流です。2017年以降は双方向で常に14~5名が出向しており、互いのビジネスモデルを活かした協業で得られるシナジー効果は160億円を超えています。

伊藤忠グループのデジタル事業群
グループ内BPO、人材交流、海外進出などで大きな成果
ベルシステム24とのビジネス事例をご紹介ください
2017年に、主にCTCの顧客企業向けにITサービスデスク業務を担ってきたCTCファーストコンタクト株式会社(以下、CTCFC)をベルシステム24が子会社化し、CTCFCのITヘルプデスクの知見とベルシステム24の型化ノウハウの相互補完で、より付加価値の高いサービスを提供できるようになりました。
人材交流という点では、たとえばファミリーマートに出向している社員がハブとなり、ベルシステム24を含むグループ内企業と連携してソリューションを提供することで、グループ全体の効率化が進んでいます。
グローバル展開する総合商社ならでは成功事例と言えるのが、海外へのBPO事業展開の支援です。当社の海外ネットワークやM&A/事業提携のノウハウを最大活用する形で、短期間でタイ・台湾への進出を果たしました。
顧客接点の人的リソースや型化のノウハウに期待
ベルシステム24への期待をお聞かせください
今後、AIを中心としたIT技術で省力化・自動化が進むと思いますが、それを最終的に業務に落とし込んでいくのは結局"人"です。お客様のビジネスや課題を把握する顧客接点の人的リソース、そして、それを型化して安定してマネジメントする運用力に今後も期待しています。