Vision 最新技術と受け継がれるマインドでお客様の課題を解決
AI活用でコンタクトセンターはさらに進化する
コンタクトセンターやBPOをとりまく近年の環境変化について、どのように分析していますか
人材不足を背景に、採用の難易度がいよいよ高まっています。限りある人材の有効活用は多くの企業で重要な課題となっており、コンタクトセンターやバックオフィス業務にもAI活用を検討する企業が増えています。
ベルシステム24グループでもAI活用を重視しており、すでに独自のコンタクトセンター自動化ソリューション「Hybrid Operation Loop」を開発中で、2026年にサービス提供を予定しています。AIがお客様との通話内容を理解し、リアルタイムに適切な対応を提案したり、回答に必要な情報を用意したりと、コンタクトセンターで働くスタッフの強力なサポート役を担います。また、AIによる完全自動化の実現も視野に入れています。
もちろん、応対業務は人によるコミュニケーションが重要だと考える企業もあり、一方で完全自動化を目指す企業もあります。いずれにせよ、これからの業務の中心でAIが重要な役割を果たすことに変わりはありません。

株式会社ベルシステム24ホールディングス 代表取締役 社長執行役員 CEO 梶原 浩
BPO事業へと受け継がれるグループのマインド
ベルシステム24グループとして、AIやBPOをどのように推進していくのか聞かせてください
コンタクトセンターは従来からアウトソースが進んでいた分野で、2023年のアウトソーシング市場規模は約1.2兆円です。これまで自社運用してきた企業がBPOを活用する動きも顕著で、その市場も含めると3兆円規模にまで拡がります。当社はAI活用に関しても、比較的早期からビッグテック各社と連携し、その技術を実務で活かすために試行を重ねてきました。お客様が自社のみでAIの有効活用を進めるのは難しく、AIのコンサルティングをきっかけにBPOを受託するケースも増えてきています。
当社の原点はコールセンターBPOにあります。1982年の創業以来、40年以上にわたりコミュニケーションに特化したビジネスを展開してきました。その中で、お客様企業を深く理解し、その先のお客様への提供価値を一緒に考えながら、企業の成功に伴走するマインドとノウハウを培いました。そして今、市場のBPOニーズの多様化を背景に、この強みを活かすことで、さらなるサービス拡大を実現できると考えています。
また、伊藤忠商事、TOPPANといったグループ企業との連携により、幅広い業界、地方自治体、公共団体などのお客様とのリレーションシップが生まれています。AI活用、BPOにおいても、必要に応じてグループ各社と協業することでさらなるシナジーにつなげていきます。
2社の相乗効果で日本のBPOを変えていく
市場を見据えて、これからHorizon Oneはどのように存在感を高めていくのでしょうか
Horizon Oneは当社とレイヤーズ・コンサルティングの合弁企業として、経理・人事領域のBPOを進めています。運用に強みを持つ当社とコンサルファームとの合弁ということで、上流の戦略策定に始まり、業務再設計、実際の業務受託まで、一気通貫の体制を構築しています。さらに、両社の人材交流によって、ノウハウの共有が飛躍的に進みました。
経理、人事領域のBPOは外資系企業のシェアが高い分野でもあり、海外標準のサービスは日本企業にとっては痒いところに手が行き届かない側面もあるという声も聞こえてきます。Horizon Oneでは、そのような声に応えるために、日本企業に必要なきめ細かいサービスを提供することで、着実に成果を積み上げています。
今後はベルシステム24グループ間のシナジーも最大限に活かし、ご要望の多いリショアリングも含めて、お客様の様々なお困りごとに向き合い、解決できる企業へと、さらなる発展を期待しています。