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日本企業の未来を創生する 経理・人事BPO

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「その声」にこたえる共創

経理・人事BPO

経理・人事BPOに新たな「日本品質」を

AIの隆盛、海外人件費の高騰、オフショアから国内への回帰。目まぐるしく変化するビジネス情勢の中で、企業のバックオフィス業務はどう変化していくのか。最新動向と進むべき道について、株式会社ベルシステム24ホールディングスとHorizon One株式会社それぞれのトップが「日本品質」をキーワードにBPOを取り巻く現状と今後の展望を語ります。

梶原 浩

梶原 浩 株式会社ベルシステム24ホールディングス 代表取締役 社長執行役員 CEO

1990年伊藤忠商事(株)入社。通信・メディア事業の最前線に長年携わり、出向先である(株)オン・デマンド・ティービー代表取締役社長などを経験した後、伊藤忠商事(株)の執行役員 情報・通信部門長を歴任、2024年より(株)ベルシステム24ホールディングスの代表取締役 社長執行役員 CEOとして(株)ベルシステム24およびグループ会社の成長を牽引。

大和 淑晃

大和 淑晃 Horizon One株式会社 代表取締役社長

外資大手コンサルティング会社、国内大手コンサルティング会社、国内大手人材サービス会社を経て、2022年Horizon One(株)代表取締役社長に就任。主として大手上場企業・官公庁に向けた構造改革・業務改革、人財再配置コンサルティング、BPO/SSC導入・運用など、多種多様なコンサルティングおよびBPOに従事。

最新技術と受け継がれるマインドでお客様の課題を解決

Vision 最新技術と受け継がれるマインドでお客様の課題を解決

AI活用でコンタクトセンターはさらに進化する

コンタクトセンターやBPOをとりまく近年の環境変化について、どのように分析していますか

人材不足を背景に、採用の難易度がいよいよ高まっています。限りある人材の有効活用は多くの企業で重要な課題となっており、コンタクトセンターやバックオフィス業務にもAI活用を検討する企業が増えています。

ベルシステム24グループでもAI活用を重視しており、すでに独自のコンタクトセンター自動化ソリューション「Hybrid Operation Loop」を開発中で、2026年にサービス提供を予定しています。AIがお客様との通話内容を理解し、リアルタイムに適切な対応を提案したり、回答に必要な情報を用意したりと、コンタクトセンターで働くスタッフの強力なサポート役を担います。また、AIによる完全自動化の実現も視野に入れています。

もちろん、応対業務は人によるコミュニケーションが重要だと考える企業もあり、一方で完全自動化を目指す企業もあります。いずれにせよ、これからの業務の中心でAIが重要な役割を果たすことに変わりはありません。

株式会社ベルシステム24ホールディングス 代表取締役 社長執行役員 CEO 梶原 浩

株式会社ベルシステム24ホールディングス 代表取締役 社長執行役員 CEO 梶原 浩

BPO事業へと受け継がれるグループのマインド

ベルシステム24グループとして、AIやBPOをどのように推進していくのか聞かせてください

コンタクトセンターは従来からアウトソースが進んでいた分野で、2023年のアウトソーシング市場規模は約1.2兆円です。これまで自社運用してきた企業がBPOを活用する動きも顕著で、その市場も含めると3兆円規模にまで拡がります。当社はAI活用に関しても、比較的早期からビッグテック各社と連携し、その技術を実務で活かすために試行を重ねてきました。お客様が自社のみでAIの有効活用を進めるのは難しく、AIのコンサルティングをきっかけにBPOを受託するケースも増えてきています。

当社の原点はコールセンターBPOにあります。1982年の創業以来、40年以上にわたりコミュニケーションに特化したビジネスを展開してきました。その中で、お客様企業を深く理解し、その先のお客様への提供価値を一緒に考えながら、企業の成功に伴走するマインドとノウハウを培いました。そして今、市場のBPOニーズの多様化を背景に、この強みを活かすことで、さらなるサービス拡大を実現できると考えています。

また、伊藤忠商事、TOPPANといったグループ企業との連携により、幅広い業界、地方自治体、公共団体などのお客様とのリレーションシップが生まれています。AI活用、BPOにおいても、必要に応じてグループ各社と協業することでさらなるシナジーにつなげていきます。

2社の相乗効果で日本のBPOを変えていく

市場を見据えて、これからHorizon Oneはどのように存在感を高めていくのでしょうか

Horizon Oneは当社とレイヤーズ・コンサルティングの合弁企業として、経理・人事領域のBPOを進めています。運用に強みを持つ当社とコンサルファームとの合弁ということで、上流の戦略策定に始まり、業務再設計、実際の業務受託まで、一気通貫の体制を構築しています。さらに、両社の人材交流によって、ノウハウの共有が飛躍的に進みました。

経理、人事領域のBPOは外資系企業のシェアが高い分野でもあり、海外標準のサービスは日本企業にとっては痒いところに手が行き届かない側面もあるという声も聞こえてきます。Horizon Oneでは、そのような声に応えるために、日本企業に必要なきめ細かいサービスを提供することで、着実に成果を積み上げています。

今後はベルシステム24グループ間のシナジーも最大限に活かし、ご要望の多いリショアリングも含めて、お客様の様々なお困りごとに向き合い、解決できる企業へと、さらなる発展を期待しています。

Horizon Oneが実現する日本品質BPO

Solution Horizon Oneが実現する日本品質BPO

リショアリングがトレンドに

オフショアBPOを取り巻く現在の流れについて、どのように分析していますか

経理、人事などバックオフィス業務のBPOは、海外でも多く運用(オフショアBPO)されてきましたが、最近では日本国内回帰、いわゆるリショアリングを選択する企業も増加傾向にあります。オフショア先の政治経済の不透明性や天変地異などのカントリーリスクはこれまでも懸念されていましたが、海外人件費の高騰により国内との人件費差が小さくなった結果、オフショアのメリットが薄れてきていることが背景にあります。

また、オフショアでは言語や文化の壁があるため、業務委託範囲並び業務プロセスを臨機応変に変更することが容易でありません。また一定の専門知識があれば受託できる業務にも対応できないケースが散見され、顧客内にオペレーション業務が残る、いわゆる残置業務の課題も顕在化しています。社会環境の変化、業務改革の必要性を鑑みた場合、リショアリングBPOも含めて業務運用の在り方の再構築が必要とされるケースは、今後益々増えていくと考えています。

Horizon One株式会社 代表取締役社長 大和 淑晃

Horizon One株式会社 代表取締役社長 大和 淑晃

国内拠点と専門人材。Horizon Oneが選ばれる理由

リショアリングをはじめとする企業のBPOニーズに、どう応えているのか教えてください

Horizon Oneの主な国内BPOセンターは、熊本に4拠点、京都に1拠点となります。熊本は行政の企業誘致施策もあり、間接業務のBPO企業が集まる、いわば"激戦区"になっていますが、環境整備も進み、優秀な人材も揃っています。そして、京都は熊本に次ぐ拠点として設立しており、他のBPO企業が進出していないホワイトスペースであり、リショアリングの受け皿として大きなポテンシャルを持っています。

外資系を含む多くの競合がある中で、私たちの強みは専門性です。実際に当社を選んでいただいたお客様からは、「専門的な業務も対応できる安心感」を評価されることが多く、その根拠としては、社員が100%実務経験者であること、離職率が1%と非常に低くノウハウが定着しやすいことなどが挙げられます。

また、柔軟な対応にも高い評価をいただいており、たとえば経理ならば、債権債務の定型的な業務だけでなく、決算や税務といった専門性が必要とされる業務にも対応可能です。更には多品種少量の業務にも積極的に対応する姿勢が評価されていると思います。このような定型化しにくい業務は、他のBPO企業が消極的であるため、結局手放せずに困られているお客様も少なくありません。Horizon Oneでは各社員の専門性や積極的なマインドセットを活かして、このようなニーズにも応えようとしています。それこそが選ばれる理由の一つなのでしょう。

このほど熊本に新設したBPO拠点では、電機大手A社様のバックオフィス業務のリショアリングを受託しています。幅広い経理業務をカバーする大規模プロジェクトであり、約100名の人材採用を行いました。厳しい目で協業先を審査されるお客様からパートナーとして選んでいただいたことが、大きな実績の一つとなりました。

日本品質を実現するために、チームで臨む

Horizon Oneの日本品質は、どのように作られているのでしょうか

外資がシェアを占める市場に後発で参入した企業として、日本品質へのこだわりは当社の原点ともいえるものです。私たちにとってそれは、日本という場所、日本人といったこだわりではなく、むしろ日本的チームというものにあります。

たとえばサッカーの日本代表チーム、私はこのチームに日本品質のあるべき姿を感じています。一人ひとりがとにかく個性的で、"とがって"います。その中には外国にルーツを持つ選手もいるし、年齢も才能も多彩です。異なるルーツや経験を持つメンバーの個性を活かす代表チームの戦略的マネジメントは絶妙です。パワフルなスター選手を中心に据える海外のチームとは異なり、攻守の切り替えが速く、柔軟にポジションを入れ替えながら丁寧にボールをつなぐ姿が印象的ですが、それは、当社で働く人たちに置き換えることもできます。お客様のニーズを先回りして読み、コミュニケーションを取りながら、プロジェクトをゴールに導く。様々なバックグラウンドを持つメンバーで構成された、主体的に動くチームです。

多様な専門性を持つ社員それぞれに適切な仕事をアサインすることができれば、パフォーマンス向上につながり、さらに仕事を通じて仲間を助けたり、リスペクトし合う空気が自然に生まれてきます。Horizon Oneの日本品質とは、現場で働く一人ひとりのマインドとチームの目的・目標との同期化、高頻度のコミュニケーションから生まれるように思います。当社のチームがお客様の信頼を勝ち得ているのには、こんなところにも理由があるのだと考えています。

最後に、Horizon OneがBPOを通じて実現したいことをお話します。当社設立の背景にあるのは、事業を通じて日本社会・企業の競争力向上に寄与したいという思いです。当社のサービスを通じて、たとえばシニア層の雇用機会創出、過疎地での人材採用等の効果につなげ、日本社会をより良くするための起爆剤になることです。今後、当社のサービス領域は、経理・人事にとどまらず広がり続けます。それぞれの現場でお客様の課題を解決しながら、日本の競争力強化に貢献していく意向です。

Leader's Voice summary

オフショアからリショアリングへの潮流の中、決算・税務といった専門業務への対応力を強みとするHorizon Oneのソリューションは、多様な専門性への対応を可能とする独自の戦略的マネジメントをもって競合大手との差異化を実現している。今後もオフショアや外資系BPOでは対応できない課題を解決する「新たな日本品質BPO」をさらに発展させ、日本企業の競争力向上に貢献していく考えだ。

Project story プロジェクトストーリー

社員一人ひとりが「その声に、どうこたえるか。」を胸に、課題に挑むプロジェクトストーリー

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