Vision オペレーションと営業が一体となり、クライアントとともに成長を目指す
攻めと守り、組織間に生まれた"ギャップ"
コンタクトセンター事業が抱えていた課題について教えてください
これまで営業とオペレーションで組織を分け、営業がとってきた仕事をオペレーションが運用するという時代が長くありました。要は攻めと守りを分担しており、役割は明確でしたが、それぞれ目指すミッションが異なるために一体感を持ったクライアント対応がしづらい体制だったと思います。
近年、テクノロジーの進化などもあり、高度化・自動化・データ分析など次々生まれるクライアントのニーズに対応しなければ、コンタクトセンターも成長はできません。しかし、オペレーションの現場を知らない営業では提案にも限界があります。営業の新たな提案で受注しても、オペレーションの現場は仕事が増えるとネガティブにとらえてしまうケースも見られるなど、両者のギャップが大きくなっていました。
現場を理解したうえで提案できる、アカウントオーナー
アカウントオーナー制度はこの状況をどう解消するのでしょうか
アカウントオーナー制度では、1人のアカウントオーナーが営業とオペレーションの責任者として、クライアント企業(アカウント)に関する責任と権限を持ちます。「製販一体」とすることで、営業とオペレーションが同じミッションのもとで、お客様の課題を共に解決していき、高い収益率を目指せると考えました。
アカウントオーナーに託す最大のミッションは、クライアントの事業成長に貢献することです。ビジネスを拡大する領域と、現場の業務を効率的に回すオペレーションの領域を統合したことで、クライアントの課題を深く広く把握し、何をどのように提案すべきかが明確になりました。コンタクトセンターで実際に受け取る消費者の声や、実際のオペレーションの改善点など、現状を理解したうえで、実現性の高い提案をできるようになったのです。

株式会社ベルシステム24 専務執行役員 CX管掌 大矢 賢一
すべてのクライアントにニーズを捉えたスピーディーな提案
アカウントオーナー制度の効果はいかがでしょうか
クライアントの満足度は以前より高くなっています。現場の課題と、世の中のニーズの両方を踏まえた提案が可能になり、提案の幅が広がっています。攻めも守りもすべてアカウントオーナーの判断で進められるため、スピーディに提案が進むことも増えています。
これまでは営業が1人何十社も担当するなかで、売上額の大きい企業に重心を置きがちになっていましたが、各クライアントにアカウントオーナーが付いたことで、大小問わずすべてのクライアントに少しずつでも提案が進むようになりました。営業がフォローできないクライアントはどうしても縮小傾向になっていましたが、アカウントオーナー制度導入後、既存顧客含めて全体で利益が伸びていることは大きな成果だと感じています。
ニーズをいち早くキャッチし、サービス開発も活かす
社内にも変化や効果はあるのでしょうか
まず、アカウントオーナー制度を導入したことで、クライアントと常にコンタクトを取るようになり、コミュニケーションが増え、クライアントとの距離が縮まりました。これにより、各社・業界の状況やニーズもいち早く把握できるようになり、社内の新規サービス開発などに活かしています。例えば、インターネットやソーシャルメディアの監視から、動画などのクリエイティブ、プロモーションまで一貫しておこなうサービスなど、コンタクトセンターに限定しない領域にも取り組んでいます。
総合BPO企業としてアカウントオーナー制度で目指す姿
最後に、アカウントオーナー制度で今後目指す理想形をお聞かせください
広告代理店の大規模プロジェクトのように、クライアントに対してアカウントオーナーが中心となって、プロモーションからすべての企画までを一気通貫で責任を持って進められる体制を目指しています。体制や仕組みは整っており、クライアントとの接点強化が次の課題です。アカウントオーナー1人ずつ、足りないスキルは異なりますが、全体として課題を感じる点を本部方針として掲げるほか、毎月オーナーレビューで現状確認とアドバイスをおこなうといった個別のフォローも進めています。
最終的には、クライアントの一員となるほどの関係性を築き、見込み客開拓やWebマーケティング、セールス、商品開発など、"総合BPO"としてすべて当社から提案できる体制を目指します。