Solution 【ベトナム】オンショアとオフショアの両輪を回し今後3年で売上2倍を目指す
3つの基本戦略に基づきベトナムのコンタクトセンター最大手と資本提携
BELLSYSTEM24 VIETNAM Inc.(以下 BSV)はどのような背景・経緯で設立したのでしょうか
ベトナムのGDPは5%前後の安定成長を続けており、社会主義国でありながら外資企業も積極的に受け入れています。日本からも製造業を中心にコンビニエンスストアなどサービス業の進出が続き、IT企業が開発拠点を置くケースも散見されます。平均年齢が若く相対的に人件費が低いことから、日本からのオフショアビジネスにも適した国であると言えます。
この様な背景から、海外展開の検討を進めるなかでベトナムが最有力候補にあがり、「オンショアビジネス(現地のコンタクトセンター市場)への進出」「ローカルパートナーとの協業」「日本企業のオフショアニーズ対応」の3つの基本戦略に従い、ベトナムBPO最大手のホアサオ社との資本提携(2017年に49%出資)に至りました。ホアサオ社が築き上げてきたオンショアの基盤をそのまま引き継ぎつつ、伊藤忠・TOPPANグループのネットワークを活かしたオフショアの拡大で成長を続けています。

BELLSYSTEM24 VIETNAM Inc. 本間 健太
オンショアとオフショアのハイブリッド戦略をとるBSV
ベトナムにおける事業の概要や特徴についてお聞かせください
首都ハノイがある北部では通信キャリアやテレビ局などの国営企業、最大の商業都市ホーチミンがある南部では、日系企業を含めベトナムに進出する企業も多く、BPOのニーズが拡大しています。BSVでは売上の2/3をベトナム企業からのオンショアビジネスで占めており、中でも通信キャリア最大手のViettel社向けコンタクトセンターでは、1,500席規模の運用を受託しています。
日本語のメール対応業務をきっかけに立ち上げたオフショアビジネスは、その後、中国の大連にオフショアされていた業務を、より人件費の安いベトナムにリプレイスしたことで拡大しました。現在では、日本語だけでなく英語にも対応できるカスタマーサービスを提供するほか、一部日本企業のお客様に対しては、見積書作成や契約業務のサポートなど幅広い業務に対応しています。
人材調達のキャパシティとスピードもBSVの強みの一つです。3,000規模のコンタクトセンターでの人材充足に加えて、オフショア業務にあたる日本語人材の確保も必要なため、採用活動には特に力を入れています。教育機関や自治体と連携したワークショップなどの施策が奏功し、日系企業の高度なBPO業務でスキルアップできる点に魅力を感じる大卒の若者が増えており、日本よりも定着率が高いことも特徴です。

採用活動における大学との連携
ベルシステム24が蓄積してきたナレッジを移管し更なる飛躍を目指す
今後の成長戦略や総合BPOパートナーとして目指す方向性など教えてください
2023年3月、ベルシステム24グループ :80% / TOPPAN:20%のBSVを設立し完全子会社化したことで、全体の見える化と迅速な経営判断ができるようになり、戦略面の強化につながりました。ベルシステム24の型化されたオペレーション管理やプロセス改善のナレッジを移管し、またTOPPANが得意とするデジタルマーケティングのサービスも新たな武器に加えることでBSVの競争力を高め、オフショアBPOとともに、成長著しいベトナム南部地区のマーケットを開拓していく計画です。