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人材開発

1. 基本的な方針

企業理念の実現

  • 当社はパーパスを「イノベーションとコミュニケーションで社会の豊かさを支える」と定めています。従来からの我々の強みであるコミュニケーション(対話)を生かした持続的な成長と、社会的・技術的な新たなイノベーションによる非連続な成長を同時にマネジメントし、生み出した価値を自社だけでなく社会にも還元したいという思いを込めています
  • このような新旧のモデルを同時に動かしていくための力の源泉は人材であると考えています。当社の目的、存在理由はパーパスを実現することです。そのためにそれぞれの社員に役割があり、それが「仕事」あるいは「職務」であると考えています
  • 当社は約40の拠点における地域に根差した人材、言い換えれば「人的資本」を中心に構成されています。その「人的資本」をインプットとして事業を動かし、結果として収益と共に「増幅・拡張された人的資本」を社会にアウトプットするという基本構造が当社の価値創造モデルです。働きながらノウハウやスキルなどのいわゆる「知的付加価値」を創造してもらい、社会での活躍の機会をより増やしてもらうことが、我々と社会との「共通価値」であると考えています
  • そのため、当社において「教育」は最大のテーマであり、これまでも人材開発に注力してきていきます

パーパス

イノベーションとコミュニケーションで
社会の豊かさを支える

HRポリシー

  • 我々と社会の共通する重要課題としてマテリアリティを当社は定義しています。その中では「人と働き方の多様性」が最も重要であり、次に「人材のパフォーマンス向上(質と生産性)」であると定めています
  • それらを踏まえ、「人材」に関する当社の考え方と価値観をまとめた「HRポリシー」を制定しています。バックグラウンドが違う多様な社員が、サステナビリティ推進基本方針にある「 社員が安心して、健康で、自分らしく働ける多様性のある職場」を実現し 、また各社員が業務の中でパーパスを具体的なアクションとして変換することができるように、3つの短いキーワード「ともに成長する/チャレンジする/磨き続ける」として全社で共有しています
  • HRポリシーの価値観を持って社員が働くこと、そして会社は機会の提供や(働きがいのある)環境の整備でサポートすることにより、社員も会社もよりサステナブルで、より強く、より良い状態になることを目指しています
    HRポリシー
  • 重点目標
    • プロフェッショナル育成

      世の中で通用するビジネスプロフェッショナルを目指す社員を対象に、業界・職種を問わず、広く世の中一般で求められるコンピテンシーの強化のための研修プログラムを提供します

    • リーダー育成

      リーダーとしてベーシックなスキル・スタンスを獲得するためのプログラムと、当社の事業をリード・発展させることのできる人材を育成するための次世代リーダー育成プログラムを実施します

    • 契約社員の定着率向上

      多様な人材が多様な働き方をできるような、人事・評価制度や報酬制度の最適化を行い環境を作り上げていきます

  • 成果指標
    • 人材育成のための研修への投資

      2025年までに、人材開発のための研修への投資を2021年現在の売上対比0.3%から、+0.03%増加させて0.33%とすることを目標とします

    • 女性リーダーシップ

      2025年迄に役員の女性比率を10%以上、管理職の女性比率を20%以上とすることを目標とします

2. 体制・システム

人材開発の推進体制

  • 人材開発を管掌する取締役を配置し、その配下に人材開発部を設置して教育及び人事制度を総合的に企画/設計/構築する体制としています
  • 研修に関する常設の専任部署として人事教育グループを設置し、従業員の研修を中心した人材の価値向上への取り組みを積極的に進めています
    人材開発の推進体制

3. 人材開発・研修の体系

全社教育体系

人材開発の推進体制
  • *1 「SV(スーパーバイザー)」はコンタクトセンターのパフォーマンス向上を目的としてセンターの管理監督を担い、業務の進捗管理やモニタリング、CM(コミュニケーター)*4指導、エスカレーション対応、環境整備等を行う。
  • *2 「LD(リーダー)」はSVの指示に基づきコミュニケーターのサポートを担い、具体的には質疑応答や新人の業務研修講師やOJT等の一部を担当する。
  • *3 「OPM」は当社独自のコンタクトセンターマネジメントシステムであり、「OPMベーシック研修」は、OPMの基礎的な知識とスキルを習得する研修。
  • *4 「CM(コミュニケーター)」はコンタクトセンターで電話やメールを通じてエンドユーザーと対応する役割。
  • *5 「テレコミュニケーション研修」は電話対応を行うコミュニケーターを対象とした研修。
  • *6 「EメールCMコース」はメール対応を行うコミュニケーターを対象とした研修。
  • *7 選択型のビジネスコアスキル・キャリア形成・テーマ別・職種別研修の詳細は『選択型研修』の項目に別途記載。
  • *8 「新任部長研修」「環境研修・人権研修」は外部の教育研修専門機関と開発した研修
  • *9 契約社員及び派遣社員を含む
  • 当社が独自に開発している教育プログラムに加えて、専門の教育機関とも共同で教育プログラムを開発し、研修を行っています
  • エグゼクティブ・マネジメント層向け、ミドル・マネジメント層向け、次世代リーダー向けについては経営大学院を傘下に持つ株式会社グロービスと共同で研修を行っています。また、女性社員を対象にしたWomen's Challenge Programは株式会社インソースと行っています

4. 研修実績

従業員の研修受講実績
項目 2022年度
全社の年間研修受講時間合計*1(時間) 206,804
従業員1人あたりの年間研修時間*2(時間/人) 5.1
全社で研修を受けている人の割合*2 (%) 100
総研修費用(百万円) 560
従業員1人あたりの年間研修費用(円/人) 13,735
総売上高に対する総研修費用の比率*3(%) 0.359
  • *1 ベルシステム24ホールディングス、ベルシステム24及びベル・ソレイユの合計
  • *2 従業員数は正社員、契約社員及び派遣社員の合計 (2023年2月)
  • *3 総売上高に占める研修費用総額=総研修費用÷2023年2月期連結売上高
  • *4 業務研修は除く

新卒社員の入社から3年間の研修プログラム

新卒社員の入社から3年間の研修プログラム

契約社員採用時の研修プログラム(主にコールセンター・ロケーションにて)

契約社員採用時の研修プログラム(主にコールセンター・ロケーションにて)

5. 人事制度

人事制度の基本構造

企業理念を実現するための役割分担としての職務があり、職務に応じた評価基準が定められ、そして評価に応じて階級と報酬が決められます

  • 職務
    • 企業理念を実現するために期待されている役割として「職務」が定義されます。また、職務の責任や範囲から、階層のレベル値(「グレード」)が初期設定されます
    • 職務には一般職とマネジメント職の2種類があります。マネジメント職にはラインマネジメント職とプロフェッショナル職があります
  • 評価制度
    • 職務の「パフォーマンス」、「コンピテンシー」の2面から評価を行います
    • パフォーマンス(業績): 各職務に対し、会社計画からブレークダウンされたパフォーマンス目標が設定され、達成度合いが評価されます
    • コンピテンシー(能力): 職務の遂行及びグレードに対して定義された標準的なコンピテンシーレベルに基づいて評価されます
  • 報酬制度
    • 各社員のグレード、パフォーマンス評価、コンピテンシー評価により基本的な報酬が決定されます
    • 本人の総合評価及び会社の業績に基づいて賞与が決定されます

契約社員に関する人事制度の拡充

当社グループ全体の約9割は契約社員で構成されています。契約社員の働きやすさを高めることは当社グループにとって重要なテーマです

  • 職務
    • 通常のグレード制に加えて、向上心の高い契約社員に向けた追加グレードを導入しています。昇進のステップをより多段化し、働き方に合わせた緩やかなスロープをつくっています
    • 契約社員としての働き方にも「スペシャリストコース」を導入して、多様な志向に対してキャリアアップのチャンスが均等に提供できる環境を整備しています
    • 本人の希望にもとづいて、入社6か月経過等の条件を満たせば、無期雇用社員として採用する制度を法制度導入前より導入しています
    • 正社員へのキャリアアップ制度も導入し、全社として年2回大規模な選考・審査が行われます
  • 評価制度
    • すべての契約社員について必ず「評価」と「フィードバック」を行い、基本的に正社員と同じ評価プロセスを適用しています
    • 現場を支える日々の業務の特性をふまえ、フィードバックに関しては指導的な側面よりもメンタリング的な側面に重心をおいた内容としています。評価者にはそのための特別な研修を導入しています
  • 報酬制度
    • 全社の業績達成度合いに応じて、役職員に加えて、契約社員に対しても業績手当の一時金(ボーナス)を年2回支給しています
    • 長く働いている社員に対しては永年勤続表彰を行っています

人事制度に関する全社的な施策

  • 相談窓口
    • 仕事上の悩み等を相談するカウンセリングルームの窓口を設置しています
    • 個人情報の開示や訂正に関する相談・申し込み窓口を設置しています
    • 不正行為やハラスメント等に関する苦情を広く受け付けるための、内部通報制度に基づいた内部及び、外部(弁護士)の窓口を設置しています
  • タレントパイプライン
    • 全社員のタレント情報はデータベース化され、優秀な人材の採用・育成・活用・登用を行う「タレントマネジメントプロセス」の仕組みを構築しています
      • 次世代の経営人材、幹部人材の確保に向けて部長候補を対象としたイノベーション研修を実施しています。2022年までの3年間で32名が受講し、その中から13名が部長に昇格しています(2023年3月1日時点)
    • 特に女性管理職のパイプラインについては独立した強化プログラムを導入しています
      • マネージャー以上の管理職層への部門別パイプライン管理
      • 管理職層を中心に役員メンター制度に取り組んでいます。2022年までの2年間で26名が参加し、人数は年々増加しています
      • 管理職層未満に対する管理職ポテンシャルとしての部門別パイプライン管理
      • 女性管理職候補の育成を目的とした研修Women's Challenge Programを2021年より実施しています。これまでの2年間で55名が受講し、その中から18名が管理職に昇格しています(2023年3月1日時点)
  • メンタリング制度
    • 全従業員に対するメンタリング制度を導入しています
  • 契約社員に対する報酬制度
    • 契約社員に対する報酬については、正社員の報酬制度よりも幅広く多様性をカバーする仕組みとしています
      • やる気などの勤務姿勢、遅刻や欠勤などの勤務状態、就業期間等のあたりまえと捉えられがちで評価にのりにくかった項目も明確に評価項目として設定し、前向きにコツコツと頑張るといった働き方もしっかりと評価できる評価体系にしています
      • リーダ―など管理ポジションの場合は、部下への接し方なども評価項目としています
      • 時給制と月給制があり、時給制の場合は1分単位での公正な把握を行って運用しています
  • 専門職制度(スペシャリストコース)
    • 現場で従事する社員が、会社に決められたスタイルで働くだけではなく、得意なことを活かしながらキャリアアップを目指す「スペシャリストコース」を設けて働き方の多様性を広げています。それにより、様々な領域でスキルを持つ人材を発掘すると共に、働きがいを高め、定着率を高めています
    • 様々な職務の中からスペシャリストコースとして適切と考えられるものを審査し、現在60種類以上のスペシャリストコースが設定されています
  • 柔軟な勤務制度
    • フレックスタイム勤務制度
      • コアタイムが設定されていないフル・フレックス型の制度を導入しています
    • モバイルワーク制度
      • 仕事の都合や個人のライフスタイルに合わせて、最適な環境を選んで働くことで、生産性の向上と、社員の健康や生活の満足度を向上するためのモバイルワーク制度を導入しています
    • 勤務地限定型勤務制度
      • 社員のワークライフバランスを支援し、安心して働ける職場づくりのために、転居を伴う異動の対象とならない働き方を選択できる制度を導入しています
    • 副業制度
      • スキルアップや収入アップ等を目的として、社内副業制度としての「ダブルジョブ制度」と社外副業の「ダブルワーク制度」を契約社員を除く全社員に対して導入しています
      • ダブルジョブ制度では、所属する本部以外への副業を可能としています
      • ダブルワーク制度では、法定労働時間への考慮を前提とした上で、職業選択の自由を保証するため会社側は基本的に制度利用の否認を行っていません
    • ワークシェア制度
      • 育児、介護、自身の病気治療、妊娠期間/不妊治療等の理由により、時短勤務など勤務時間に制約が生じた場合のために、職務に対して「副職」を配置することにより負担軽減を行う制度を導入しています

6. キャリア支援

  • 資格補助制度
    • 個人のスキル向上の支援と組織全体の強化のために、資格受験や更新の費用補助制度を導入しています。現在100以上の資格が対象となっています
  • 公募制度
    • 部署からのニーズと社員からの異動ニーズをマッチングし、組織全体の人材流動化と適材適所を強化するための公募制度を導入しています
    • 職種によっては契約社員であっても応募可能としています。また応募と同時に正社員化を志願できる職種も設置しています
  • キャリアカウンセリング
    • 契約社員のキャリア形成のために、国家資格を有する社員コンサルタントが、キャリアカウンセリングを実施しています
  • ジョブローテーション
    • 多様な経験の蓄積機会として従業員の過去の配属実績を踏まえ、ジョブローテーションを実施しています。2021年は72名、2022年は146名が異動しました
  • インターンシップ
    • 学生が当社の事業を通じてビジネスを体感する機会として、2種類のプログラムを実施しています
      • 1日プログラム : コンタクトセンターの担当者の業務の一部を体験するプログラムです。2022年度は192名が参加しました
      • 2日プログラム : クライアントに対する課題解決提案を体験するプログラムです。2022年度は66名が参加しました
        • インターンシップ参加実績

          単位:人

          2021年度 2022年度
          1日プログラム 194 192
          2日プログラム 48 66
          合計 242 258

7. データ

階層別研修

  • 正社員の階層別研修受講実績

    単位:人

    研修名 対象者 2021年度 2022年度
    新卒社員入社時研修 新入社員 31 40
    キャリア入社社員研修 新入社員 54 89
    正社員登用時の研修 正社員登用社員 165 162
    新卒社員フォロー1年目研修 新入社員 30 39
    新任アソシエート研修 若手層 117 101
    新卒社員フォロー2年目研修 新入社員 37 29
    新卒社員フォロー3年目研修 新入社員 20 37
    新任エキスパート研修 若手層 131 153
    新任担当マネージャー研修 プレマネジメント層 84 96
    新任マネジメント研修 マネジメント層 46 53
    人材マネジメント研修 マネジメント層 42 28
    新任部長研修 部長・事業部長層 47 47
    合計 804 874
  • 契約社員の階層別研修受講実績

    単位:人

    研修名 対象者 2021年度 2022年度
    SV研修 コンタクトセンターSV層*1 272 279
    リーダー研修 コンタクトセンターLD層*2 955 767
    OPMベーシック研修*3 コンタクトセンターLDからSV層 218 204
    OPM研修(Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ)*4 コンタクトセンターLDからSV層 - 42
    合計 1,445 1,292
    • *1: 「SV(スーパーバイザー)」はコンタクトセンターのパフォーマンス向上を目的としてセンターの管理監督を担い、業務の進捗管理やモニタリング、CM(コミュニケーター)*5指導、エスカレーション対応、環境整備等を行う
    • *2: 「LD(リーダー)」はSVの指示に基づきコミュニケーターのサポートを担い、具体的には質疑応答や新人の業務研修講師やOJT等の一部を担当する
    • *3: 「OPM」は当社独自のコンタクトセンターマネジメントシステムであり、「OPMベーシック研修」は、OPMの基礎的な知識とスキルを習得する研修
    • *4: 「OPM研修(Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ)」はOPMの実施事項習得とケーススタディを通して理解を深める3段階の研修
    • *5: 「CM(コミュニケーター)」はコンタクトセンターで電話やメールを通じてエンドユーザーと対応する役割

選抜研修

  • 選抜社員の研修受講実績

    単位:人

    研修名 対象者 2021年度 2022年度
    経営戦略・マーケティング マネジメント層 49 -
    相手を動かすコミュニケーション マネジメント層 25 -
    イノベーション研修 マネジメント層 16 8
    ミドルマネジメントプログラム マネジメント層 21 8
    エグゼクティブマネジメントプログラム 部長/事業部長層 3 -
    英語研修 対象部門のみ 6 -
    合計 120 16

自己啓発研修 (選択型研修)

ビジネスコアスキルや職種別スキルの向上、テーマ別のナレッジ獲得、キャリア形成等のための選択型研修を60講座以上提供しています。