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Event/Seminarイベント/セミナー

2017年5月31日セミナーレポート

開催日時

2017年5月31日(水)15:00-17:10

セミナータイトル

「WEB接客」からひも解く、Chatbotの限界点とCS向上の解




株式会社ベルシステム24は、2017年5月31日(水)に 『「WEB接客」からひも解く、Chatbotの限界点とCS向上の解 』と題し、伊藤忠商事株式会社、株式会社空色との共催セミナーを開催いたしました。

本セミナーでは、国内でも豊富なチャットセンター運営実績を有するベルシステム24とWEB接客の第一人者である空色が、これまでのチャットセンター立ち上げから、運営していく中で蓄積した、LINE、アプリ、ウェブサイトのユーザー特性と使い分けの正攻法をユースケースと共にご紹介いたしました。

また後半セッションでは、ユースケースとして空色が提供するWEB接客ソリューション「OK SKY」を導入されているOUTDOOR PRODUCTSのご担当様にご登壇いただき、WEB接客に期待する点、社内稟議を通すために苦労した点、WEB接客における今後の展開等をパネルディスカッション形式でお伝えいたしました。


このたびのセミナーでは、定員60名のところに対し、セミナーの告知開始後、3日間で定員を上回る100名を超えるお申し込みをいただき、おかげさまで大盛況のもと終了いたしました。

セミナーの概要は、下記の通りです。


■Session1
「LINE、アプリ、ウェブサイトのユーザー特性と使い分け正攻法」

株式会社空色 代表取締役社長 中嶋 洋巳氏

2013年10月にNTT出身の中嶋氏が立ち上げた株式会社空色(そらいろ)は、「接客重視」を経営方針に掲げ、Web接客システム「OK SKY」の開発・運営・運用サポートをワンストップで提供するとともに、Web接客センターの設計・運営も手掛けている。空色の顧客はアパレル、金融、流通と幅広い。

近年、B to CのEC(イーコマース)市場は、様々な業界において拡大を続けている。しかしその一方で、リアル店舗への来客数に対する購入率が20%程度なのに対し、EC訪問者数におけるコンバージョン率※)は僅か1%という現実があり、それがECにおける課題となっている。中嶋氏はその原因をEC上の「接客」不足によるものと分析し、「OK SKY」の導入とチャットを駆使した双方向コミュニケーションを通じて、ECの「接客」を改善、問題解決に導いている。※)コンバージョン(CV)率:ウェブサイトの目標に達した数を、目標に達する最初の段階に入った数で割った割合のこと。ECサイトやインターネット広告で、効率を計るために用いる。

なぜ今、チャットによる接客なのか
 昨今の利用端末の変化とLINEに代表されるSNSの普及により、若年層は勿論のこと、高齢化により人口比率が増しつつある中高年層にとっても、チャットは身近なものになってきた。 中嶋氏は言う。「当社の顧客の阪急百貨店では、店舗に来店する顧客層と、同社の展開するウェブサイトに来訪する顧客層は、ほぼ一致しています。中高年の方々にとっても、商品関連で不明なことがあった場合、検索エンジンで探すよりも店舗のサイトにチャットで問合せをするほうが楽であり、繰り返し利用するようになったからです。」

顧客にチャットを利用してもらうことは企業にとってもメリットがある。1名の接客者で複数の顧客の接客が可能なため、少ないリソースで効率的に接客ができるからだ。また、現在は文字だけでなく商品の映像や動画もチャット上で用いることが可能となり、一目で顧客が理解できるため、問い合わせ時間の短縮にも繋がっている。

チャット接客のユニークな一面として、「対面では伝えづらい、センシティブな会話の発生頻度が高い」と中嶋氏は指摘する。「例えば、洋服購入時の加齢による体形の変化、化粧品購入時の肌荒れやくすみの悩み、一家の主からの問い合わせ時の妻へのグチなど、チャット接客のログの活用により、次回の接客やアフターフォローに活かせる定性的な情報、ないしはCRMデータの中に保存したい隠れたニーズの把握が可能なのです。」

確かに、人に言いづらい内容の相談は、対面よりもチャットの方が、顧客が本音を語りやすい状況にあると言えるだろう。


アプリ、ウェブサイト、LINE其々の特性
ECは以下の3つのチャネルを有し、それぞれのチャネルに特性があるため、効果的なチャット接客にはチャネルに応じたアプローチの仕方を把握しておくことも大切と、中嶋氏は言う。

■アプリケーション:顧客のリピート率を向上させる。購入率20%前後
アプリケーションを利用するユーザーの特性として、提供企業のブランドのファンが多く、チャット接客でも深い商品知識が求められる。従って、ブランドコンセプトを理解し、商品への訴求を正しく行うことで、顧客の強固なファン化を促進することが可能である。

■ウェブサイト:新規顧客獲得に効果的。購入率10%前後
ウェブサイトでのチャットは、新規来訪者が多く、滞在時間が短いため(平均2-5分、)迅速なレスポンスが求められる。ユーザーとの会話を成立させ、滞在時間を増加し、商品の提案からカートまで、ユーザーの閲覧ページをふまえた接客の実施が必要となる。

■LINE(SNS):LINEプッシュ通知により顧客接点を拡大。購入率は5%前後
SNSはその気軽さから多くのチャットが発生するが、商品あるいは商品購入とは無関係な会話が発生することも多く、最も運用が難しい。対応すべきものとそうでないものの見極めが必要。
即時レスポンスを行い、脱線した会話にも丁寧に対応し、ユーザーとの接点の継続が大切である。

AIが対応するチャットボット(Chat bot)の導入メリットと限界
チャット接客において、昨年末から注目されてきているのが、AIエンジンを搭載した自動会話プログラム「チャットボット(Chatbot)」である。先日もマイクロソフトなど大手IT企業が導入を発表しており、話題にもなっている。
チャットボットは、蓄積された接客データをFAQにしてAIに投入し、AIが人になり変わり接客をする。チャットボットの導入はECサイトでの24時間接客対応と、一部の接客を請け負うことで人件費削減を可能にし、接客品質が同一となるため、顧客体験の統一も可能にする。

中嶋氏は以下の3点のうち、2点があてはまる企業の場合、チャットボットの導入が効果的だと語る。

1) 業務知識が属人化している(商品やブランド毎に異なったマニュアルが存在する場合。)
2) 店舗の受付時間が短い(ECが混雑するのは18時以降。店舗の閉店時間に近いため、実店舗運営時間と顧客が対応を希望する時間にズレが生じている。)
3) 問い合わせ内容が同じようなものばかり

なるほど、チャットボットは多くの企業が求めているニーズに対応できるように見える。
しかし、注意すべきは、AIには「学習していない会話には対応できない」という限界が存在する、ということである。チャットボットはパーソナライズされた回答や、データがない質問に対しての回答は困難である。中嶋氏は続ける。
「例えばアパレル企業の場合、顧客の『これ、私に似合うと思う?』『彼、気に入ってくれるかな?』『このシャツとあのシャツの違いをおしえて』といった質問にAIは答えられません。

全ての問い合わせをAIだけで完結させるためにはAIのための膨大な学習データと期間が必要です。そのような場合、「OK SKY」では有人チャットにAIが自動的に切り替えます。
それでもチャットボットが問い合わせ全体の3-4割の接客をすれば、経費削減に繋がるのです。チャットボットは、その対応範囲を正しく理解し、対応範囲外の問い合わせにどう対処するかを考えてからの導入が賢明です。」


チャットボット(Chat bot)を高度化させるために
チャットボットの限界は理解できた。けれどもシンプルなFAQ対応の他に、よりチャットボットに高度な接客をさせるためにはどうしたらいいのか。

「例えばアパレル企業の場合、価格、サイズ、カラーなどの商品情報、ウェブ在庫、店舗在庫などの在庫情報、顧客の購買履歴、来店・来訪履歴などの顧客情報などを有する基幹システムとの連携により、チャットボットが顧客に提供する「価値」が飛躍的に向上します。

商品情報があれば、商品検索の際、検索の代替手段として提供できます。在庫情報とリンクしていれば24時間即座に在庫に関する問い合わせをチャットで自動応答できますし、顧客情報があれば、過去の購入履歴を元に自動応答で提案する商品を顧客の好むものに変更したりできるのです。」と中嶋氏。

チャットボットはステップを踏んで育てていくものだということが分かった。


CS向上の解
最後に中嶋氏はチャットやチャットボットを活用した接客をCS向上に繋げるためのヒントを語ってくれた。

「『売れる接客』をするためのチャット活用は、いきなりチャットボットの導入のみではリスクが高すぎます。チャットボットの有効活用には接客時の会話データ、ログの蓄積とそれをAIに学習させることが肝になるからです。

まずは有人チャット、そしてチャットボットと有人チャットのハイブリッド接客が効率的です。また、チャットを活用した接客を開始して2-3か月後には、どのお客様も「チャット発生率のコントロール」という壁に当たります。

これについては、チャット運用の経験値の高いパートナーと組むことが有効です。空色も池袋に、コールセンター大手のベルシステム24と連携した、人的リソース、運用ノウハウ、マネージメントスキルの全てを兼ね添えた『チャットセンター』を有しているので、ご相談やご質問等をいつでもお受けできます。」

チャットによる「Web接客」が、顧客とECサイトの双方向コミュニケーションを加速し、EC売上の拡大とコンバージョン率改善の有効な打ち手となりうる可能性を、大いに感じさせられた中嶋氏のレクチャーであった。

■Session2
「Web接客を自社に導入するということ」(パネルディスカッション)

【パネリスト】
株式会社空色 代表取締役社長 中嶋 洋巳氏
伊藤忠商事株式会社 ブランドマーケティング1部11課OUTDOOR PRODUCTS担当 丸山 篤司氏
株式会社ベルシステム24 パートナー開発推進本部 野瀬 裕

【モデレーター】
伊藤忠商事株式会社 情報産業ビジネス部 岩見 統之氏

― 本日のテーマは「Web接客を自社に導入すること」だが、3月にOUTDOOR PRODUCTSに空色の「Web接客」を導入された際の経緯や状況について教えてほしい。
(丸山)
ECサイトはあるものの、何もしていない状況だった。ODP(=OUTDOOR PRODUCTS)の国内売上は150-160億程度だったが、EC比率は低く、卸売業者が運営するECサイトとオフィシャルECサイトを合わせても3.3億-3.4億程度でECの改善の余地が高いと判断した。


― 検討施策の内容と、検討段階で「Web接客」はテーブルに乗っていたか。
(丸山)
ECサイトの売上拡大、粗利改善、客単価の向上及び維持、サイトセッション数の増加、CV率改善、リピーターの増加、を検討した。「Web接客」は当初検討項目にはなかったが、施策の詰めのタイミングで空色の提案を聞いた。


― 提案を聞いた時の印象と、どうして空色を選択したのか、その決め手は。
(丸山)
「Web接客」は、これまであまり聞いたことがなく、施策の中に何か従来にない新しい取り組みを取り入れたかったこともあり、検討項目にピックアップした。
空色を採用しようと考えたのは、上司の「お客様の声を聴け」という一言に負うところが大きい。これまでは代理店に小売りを委託してきたので、販売の運用面で、自分達が何をしたらいいのかがわからなかった。それで原点回帰で「お客様の声を聞こう」ということになり、空色が提供する「Web接客」による、お客様との双方向コミュニケーションに着目した。


― 「Web接客」というカテゴリ内で、空色の競合との比較はしたか。
(丸山)
比較はした。空色の競合にあたる他社のチャットツールで、伊藤忠が手掛ける他ブランドでも導入事例があり、能面も充実しているものもあった。が、ODPは人的リソースが少なかったので、運用を任せられる人材の確保が難しかった。それで運用もお願いでき、更に「お客様の声を聞く」ことを強く標榜していた空色に最終的に決定した。


― 実際に導入を検討してからサービス開始までのハードルをいくつか教えてほしい。
(丸山)
予算はあった。が、「Web接客」実施の決定打がなかったため、当時社内のトレンドだった「EC強化」に乗せる形で執拗な根回しも実施した。事ある毎に空色の話をし、あたかも既に導入しているかのように既成事実化した。
悩んで比較ばかりしていても結論は得られないと考え、決断した。空色はプロの「接客者」を提供してくれたし、運用もコールセンター大手のBS24がついているということで安心できた。


― ハード面でのハードルはあったか。また、実店舗との連携はあったか。
(丸山)
ハード面はチャットタグの埋め込みだけで完了し、全く問題はなかった。
実店舗にはECでの「Web接客」開始については周知したが、サービス開始時はさほど連携はしなかった。「Web接客」専用のオペレーション担当者がつくため、実店舗同様のブランドコンセプトの研修も実施し、導入はスムーズだった。

― 導入から2か月が経過しているが、率直に空色のサービスはどうか。
(丸山)
想像していた以上に「定性的な」気づきが多かった。例えば、雑誌に掲載された商品への問い合わせが想定以上に多く、これまでは在庫不足で遺失を発生させていたことも判明した。

日々送られて来るレポートには、定量、定性情報について細かな記載があり、売上やコンバージョン率などのKPIについても、ベルシステム24の担当者と一緒に追っていけるところも、このサービスの大きな魅力だ。
通常ECサイトの管理は数字を細かくチェックして対処法を検討し、設定するという地味なひとり作業だからだ。

現在得られる定性情報や顧客の声は、実店舗へも伝え「お客様の興味や関心のトレンド情報」として、役立てている。


― 実店舗との情報共有により運用を変更したことはあるか。
(丸山)
ある。ODPの製品はカラー展開が多いが、店舗側ではこれまで、全色は大変だからと、色を限定して取置いていた。しかし、「実店舗に行った際に全色を見たい」という顧客からの要望が何度かあったため、実店舗にかけあい、今では店舗のバックヤードに、全色を色見本として置いている。


― 最後に一言。
(丸山)
導入3か月目ということで、チャット発生件数などの数値面は、もっと伸ばしたいと考えているが、日々受け取るレポート内容により、多くの改善策を実施しており、力強さを感じている。引き続き空色やベルシステム24と共に、改善活動を続けたいと考えている。


― 野瀬さん、運用を担当するベルシステム24として一言。
(野瀬)
これまではコンタクトセンターというと「コストコンシャス」面が重要視されていたが、今回の空色と立ち上げた新たなセンターにおいては、クライアント企業の戦略面にも貢献できていることを感じる。
先程丸山さんが言及された「全色を取置く」件を現場でレポートした際にも、お客様が電話ではあまり仰らないことを、チャットなら仰ることが実感できた。
「Web接客」の運用現場を預かる立場として、今後も引き続き気を引き締めて臨みたい。


― 中嶋さん、最後に一言何かアドバイスを。
(中嶋)
チャットの発生件数の増加に伴うデータが多くなると、特異点の抽出が難しくなるので、立ち上げ当時から、着目ポイントを絞って運用することが大切だと考える。


ベルシステム24では、数多のコンタクトセンター運営実績基盤を基に、人とAIのハイブリッド型による非対面チャネルでの接客を実現し、貴社と顧客が最高のエンゲージメントを構築するための“Web接客サービス”をご提供しています。

Web接客サービスについて何かお困りの課題がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。




≪関連リリース≫
■2016.10.07 ニュースリリース
空色と資本提携しAI(人工知能)技術を活用したBPO事業に参画

https://www.bell24.co.jp/ja/whatsnew/release/2016/1007.html


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【本セミナーに関するお問い合わせ】
■株式会社ベルシステム24
パートナー開発推進本部 岩見(いわみ)
E-mail:marketing-info@bell24.com /TEL:03-6893-9600(代表)