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顧客獲得率50%増を実現するCRMプロモーション【前編】 【化粧品メーカー】基礎化粧品のトライアル商品購入者の本商品購入率を1.5倍へ拡大させた「パーソナライズドONEtoONEコミュニケーション手法」とは

実現できたこと

1. トライアル商品購入者の本商品購入率を1.5倍へ
2. お客様1人当りの購入点数を1.2倍へ
3. お客様とのONEtoONEコミュニケーションによる関係性強化

プロジェクト背景

店舗での販売を主に化粧品の販売を行なってきたA社は、数年前に通信販売限定の基礎化粧品を開発し、高い商品力で売上を伸ばしてきました。商品力に定評のあったA社は、マス広告でトライアル商品の購入客を集めた後、本商品の購入についてはお客様の意思にゆだねており、これまで特別なCRMプロモーションは実施してきませんでした。

市場の拡大と競合他社の参入が続く中、A社は売上拡大の目標を掲げ、マス広告を増やす計画を進めていました。その一方で、トライアル商品購入者の本商品購入率に若干陰りが見え始めており、本商品購入率を向上させるためのCRMプロモーションが検討課題としてあがりました。

通販事業の成長には、「マス広告」で多くの潜在客と接点を持って見込客を獲得することと、「CRMプロモーション」でより多くの見込客を顧客化・ファン化することで収益の維持・拡大を行なうことが欠かせません。

大規模なマス広告を展開する際の注文受付業務でA社を支援していたベルシステム24は、A社のCRMプロモーションにも協力することになり、本プロジェクトがスタートしました。

お客様の抱えていた課題

  • 売上拡大に向け、マス広告のみでは本商品購入率の低下が心配
  • CRMプロモーションにより、どれくらいの効果が期待できるのか分からない
  • A社からお客様へ積極的にコンタクトをとった経験がなく、どのようなコミュニケーションをとるべきか方針が定まらない

ベルシステム24のアプローチ

購入意思が定まっていないお客様をターゲットにCRMプロモーションを設計


まず最初に、マス広告を見てトライアル商品を購入し、一定期間を過ぎたお客様は、

  A.アプローチをしなくても本商品を購入する【自ら買う群】

  B.購入意志が定まっていない【まだ決めていない群】

  C.アプローチをしても本商品を購入しない【結局買わない群】

の3つに大別されると仮定し、CRMプロモーションの鍵は、B.購入意志が定まっていない【まだ決めていない群】へ働きかけ、本商品の購入に結びつけることであると確認しました。

A社基礎化粧品ユーザーの中心は40~60代の女性であり、電話でのコミュニケーションが取りやすい層であることから、”対話”のメリットを最大限に生かした電話アウトバウンドプロモーションを実施し、CRMプロモーションのフレームワーク(表1)に基づいて仮説と検証を繰り返し、より効果の高いCRMプロモーションを作り上げていくことにしました。

(表1)CRMプロモーションのフレームワーク

P-D-C-A実践項目

重要性

主なチェックポイント

Who(誰に)

ターゲット

最適な対象群の発見、絞込み

誰に向けて展開するかがプロモーションの組立ての基準となる。

ターゲット群毎の効率性

・非効率群の除外

・新しい対象群の発見

When(いつ)

タイミング

最適なタイミングの発見

プロモーションを実施するタイミングが成果を左右する。

・早過ぎ・・・判断できない

・遅すぎ・・・機会損失

タイミングの違いによる影響度

・成果への影響

・お客様の反応への影響

What(何を)-1

メッセージ&シナリオ

最適なコミュニケーションフローの発見

お客様のシーンや心理に照らしたダイレクトコミュニケーションの設計が成果を左右する。

コミュニケーションの成立度

・情報の入手

・メッセージの発信

What(何を)-2

オファー

購入ドライバーの発見

迷っているお客様へ購入の動機付けができれば、成果に直結しやすい。

オファー(特典)の有効性

・具体的なアクションへの影響

・適切な使用方法

How(どのように)

プロセス&メソッド

最適な手法の発見

お客様の反応や成果に応じて、常に手法を進化させていくことが、継続的な成果向上につながる。

手法の妥当性/合理性

・手法の有効性、無駄の発見

・プロセス間の連動性

A社のトライアル商品が約2週間分の分量であることと、過去の注文データの分析からアウトバウンドプロモーション実施の「タイミング」をサンプル商品の注文を受け付けてから2週間~4週間後に仮設定し、「メッセージ&シナリオ」の設計に取り掛かりました。

今回のCRMプロモーションの鍵は、【B.まだ決めていない群】の本商品購入率の向上にあることから、電話アウトバウンドプロモーションを通じて、【B.まだ決めていない群】を知ることから始める必要がありました。
特に、トライアル商品を購入した理由は何か、電話アウトバウンドプロモーションによって本商品を購入した/購入しなかった理由は何か、購入の阻害要因は何でどのようにしたら排除できるのかを突き止めることが重要であると考えました。

そのため、電話アウトバウンドプロモーションでは、お客様との対話を通じて、お客様が抱える課題・疑問・誤解などを引き出し、それらを解きほぐしながら商品の価値をご理解頂くことで注文につなげる「パーソナライズドONEtoONEコミュニケーション手法()」を導入することにしました。

この手法は、下の(図1)のように「売り込み型セールス」が【A.自ら買う群】から積極的に注文を獲得してしまうことに対し、【B.また決めていない群】と適切なコミュニケーションをとることで、本商品購入率の改善が期待できます。

(図1)「売り込み型セールス」と「パーソナライズドONEtoONEコミュニケーション手法」の違い
 

「売り込み型セールス」

「パーソナライズドONEtoONEコミュニケーション手法」~コミュニケーション型セールス~

目的

電話口での注文獲得。

事業全体の売上げ拡大。

特徴

早いタイミングでアウトバウンドを実施。短い通話時間で購入してくれそうなお客様を見極め、画一的なセールストークで、売りやすい商品の注文を獲得する。

適切なタイミングでアウトバウンドを実施。お客様の状況に合わせたコミュニケーションを通じて商品の価値等の理解を促進し、お客様の商品購入意思を高める。

効果

自ら買う意思の強いお客様からの注文を効率的に獲得。一定期間の受注件数を比較すると、アウトバウンドを行なわなかった場合と大きな差がでないケースも。

購入意思が定まっていないお客様からの注文を獲得できる。電話口で注文に至らなくても、コミュニケーションの効果が持続し、後日注文にも好影響あり。

運用

コスト

画一的な短い通話で完了するため、1コール当りにかかる運用コストは低い。

お客様に合わせたコミュニケーションをとるため、運用コストを抑えるにはターゲティングなどの工夫が必要。

売込型セールスとパーソナライズドONEtoONEコミュニケーション手法の成果の違い
※「パーソナライズドONEtoONEコミュニケーション手法」とは

お客様の属性や行動データに加え、ONEtoONEの対話を通じてお客様の行動の理由や感情・本音を理解し、お客様に合わせてパーソナライズドされたコミュニケーションを展開することで、信頼関係の構築と、ある目的に向かってお客様が意思決定するための動機付けを行なう手法。
例えば、今回の電話アウトバウンドプロモーションでは、お客様がトライアル商品を購入された理由や使ってみた感想、購入の検討状況などを理解し、お客様の状況に合わせたコミュニケーションを通じて商品の価値等の理解を促進し、お客様の商品購入意思を高めることに成功している。

コミュニケーションの設計と実践

電話アウトバウンドプロモーションでの、お客様との対話を設計するにあたり、まず、(表1)CRMプロモーションのフレームワークに記載している5つの項目に基づいて、対話から収集したい情報を全て洗い出しました。それらの情報をトークフローとスクリプトに落とし込み、現場のスーパーバイザーやリーダーと徹底的なディスカッションと修正を繰り返し、必要最低限に質問数を絞り込んだ対話を設計しました。

必要最低限まで絞り込んだとはいえ、収集したい情報は多岐にわたるため、コミュニケータは、一問一答形式のヒアリングではなく、対話(コミュニケーション)を通じてCRMプロモーション施策全体に活用するための情報を収集すると同時に、お客様のニーズに併せて的確な情報提供と価値訴求を行い、お客様に納得して本商品を購入していただくための知識量と表現力が求められました。

これは、様々な研修や実践を通じてコミュニケーション能力を磨いてきたコミュニケータにとっても、難易度の高いものでした。そこで、トークフローやスクリプトに頼るだけでなく、コミュニケータが主体的に商品知識やコミュニケーションスキルを伸ばせるようにするため、「ワークブック」と「日報」の2つのツールを用意しました。

「ワークブック」は研修プログラムと連動しており、ステップを踏みながら商品を理解し、”A社の”基礎化粧品から、”私の”基礎化粧品という意識の変革を支援するツールです。この意識を持つことで、お客様のご意見に強く共感し、説得力のあるメッセージを伝えることができるようになります。

「日報」はお客様との対話の実践で、成功したケース、返答に困ったケース、失敗してしまったケース、お客様が購入に至った決め手、こうすればもっと良くなる、というような気付きを日々蓄積し、改善に生かせるツールとして作成しました。

コミュニケータの育成ツール
コミュニケータの育成ツール

コミュニケータ1人ひとりの気付きをまとめた「日報」と、成果向上を目的とした徹底的なモニタリング(お客様とコミュニケータの対話を聴くこと)を通じて、日々の改善に役立てるとともに、仕組みとして改善すべきことをA社に提案・協議し、すぐに実践に移すという、スピーディな意思決定を行いながら、電話アウトバウンドプロモーションの基礎を確立しました。

電話アウトバウンドプロモーション開始前と比較し、トライアル商品購入者の本商品購入率は、1ヵ月後には110%、2ヶ月後には125%、3ヵ月後には130%を越えるまでに拡大しました。さらに、今回の電話アウトバウンドプロモーションを通じて購入されたお客様の1人当たりの購入額・購入点数は、過去の注文データと比較して高いことが確認できました。

モニタリングからは、大抵が「今、忙しいの」というような断り文句で始まる対話が、電話を切る前には、「あなた親切ね。お名前は?」「ありがとう。よく分かったわ。」などの感謝の表現を多く頂いていることが分かり、A社とお客様との関係性が強化されていることも確認できました。

この時点で、A社のトライアル商品購入者を本商品購入へ導くプロモーションコストとマス広告コストをあわせたCPO(Cost Per Orderの略:1件または1人の顧客を獲得するのにかかった費用)の改善とお客様1人あたりの購入額の向上により、満足のいく費用対効果を得るまでに至りました。

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